安定収益をつくり苦しい資金繰りから解放されよう
新規顧客をつかまえてくる営業を繰返す企業は、毎月目標を達成できるか不安を抱きながら月末を迎えます。すると資金繰りに窮して短期借入を繰り返すことになり、こんどは利払いにも追われることになります。社長の頭が資金繰りでいっぱいでは、しっかりした経営を行うことは難しくなります。安定収益をどのように作り出せばよいか考えていきましょう。
収益はその特性に応じて3つに分類することができます。
- フローの売上
- ベースの売上
- ストックの売上
収益の安定性を高め、苦しい資金繰りから脱出する方法を説明します。
収益特性による3分類とは何か
経営が苦しい元凶 フローの売上
フローの売上とは、販売に成功した時だけ収益が生まれる売上になります。営業努力が必要で確実に売上が発生するかわからない不安定な収益です。この比率が多ければ多いほど営業努力に追われ、その割には収益が上がらず苦しい資金繰りを繰返すことになります。
収益安定化の第一歩 ベースの売上
フローの売上の中で、ある程度確実に売上が見込めほぼ確定的な収益がうまれる売上になります。顧客ロイヤルティが高い上得意客、ファン客が中心となって計画する売上です。ベースの売上の比率が高くなれば、資金繰りの入金予定がある程度見えてくるようになります。
鉄板の安定収益 ストックの売上
毎月定期的に売上が発生する「定期購入」や「会費」などの商品・サービスが提供できれば、ほぼ確定的な売上となります。ストックの売上が中心となれば、資金繰りで苦労することはなくなります。
顧客深耕を進めることで、安定収益をつくりだす
新規客の顧客獲得コストは既存客の5倍となります。新規客ばかりでは粗利も落ちます。一見客や浮遊客の再購入を高めることが、粗利率の向上を図ることとなります。そのまま上得意になれば、ベース売上となり安定収益を発生させてくれることでしょう。しかしもっと安定したストック売上を生むことができる商品・サービスを作りだすことができれば、ストック売上としてなかなか減らない安定収益となります。
顧客深耕の進め方については、この記事で説明をしています。
ベース売上とストック売上の合算比は固定費を超えることが目標となります。フロー売上の比率が高い企業は商品・サービスを検討して、定期購入や会費収入、友の会、補充品など定期的に入金してもらう商品・販売のしくみを検討することが重要になります。
サブスクリプション・定額サービスの導入検討
ストック売上を突き詰めると、サブスクリプションも検討することができます。商品のサービス化を進め、一定の顧客に対して月額定額で提供することを行うことで、収益予算に対して出費を調整するという経営方式にあらためることができます。顧客ニーズにしっかり適応し満足を得なければなりませんが、成功すれば安定した経営を実現することができます。
安定収益を目指すためには、顧客深耕を行ってベース売上を目指すとともに、商品・商品提供の方法を見直して、ストック売上を実現することも検討をするということも重要な検討事項として経営課題として取り扱う必要があります。