売れる商品・サービスとはどのようなものなのか

2020年5月4日

 商品が売れない原因は色々ありますが、商品・サービスの魅力がないこともひとつの原因です。それでも世の中には人気の商品、サービスもたくさん存在しています。世間で実際に売れている商品・サービスにはいくつかの特徴があります。ここでは、売れる商品・サービスの背景を説明し、どのような商品・サービスが売れるのか、紐解いていきましょう。

売れる商品・サービス10分類
売れる商品・サービス10分類

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売れている商品・サービスの背景

 商品が売れない時代になったといわれるようになってからずいぶんと経ちましたが、今売れている商品はどのような理由で売れているのでしょうか。

 例えば100円均一ショップなど、均一価格で販売する商店では安定した売り上げを示しています。決して商品の質が良いわけではありませんが、徹底した安値販売で顧客層をつかまえています。そこで入手できる商品であれば、顧客は十分納得して買っているのです。その意味では”安さ納得消費”行動と言えるでしょう。

 インターネットの普及で、価格コムのような商品価格比較サイトを利用する消費者が増えています。先に述べた”安さ納得消費”と同じ安さ重視指向ですが、商品そのものはインターネットで徹底的に調べて理解しているため、価格のみが差別化の要因になります。その意味ではインターネットによる”徹底探索消費”行動といえます。

 一方、安さを重視せず商品の持つ利便性や、購入の便利さにお金を払う消費者がいます。コンビニエンスストアでは決して商品の価格が安いわけではありませんが、競争が激しいなか全国で売上を上げています。スマートフォンなど便利な機器の購入には、お金を惜しみません。このような消費は”利便性消費”行動といえます。

 また自分らしさや品質など徹底的にこだわる消費者もいます。たとえ高くてもよい、特別感を感じられる消費行動にお金を使うことが自分らしさを実現するものだと考え、その時その物だけには、惜しみなくお金を使う消費は”プレミアム消費”行動と言えます。

商品が売れなくなった背景

 皆さんも”コト消費”や”トキ消費”という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。モノであふれている現代の消費者は、商品をそのものの価値だけでは買わなくなったともいえます。

 コト消費とは、モノの所有に興味を示さず「商品やサービスの購入により得られる“体験・経験”を重視した消費傾向」のことです。”所有から利用へ”や”所有から共有へ”と言われることもあります。商品を購入するよりも、商品やサービスの利用で得られる”体験・経験”にお金を支払うことになります。

 またトキ消費とは、「同じ志向を持つ人とその時間や場所でしか味わえない盛り上がりを共有することを楽しむ消費行動」のことです。ライブ会場に出かけたり、コミケ(コミックマーケット)やニコニコ超会議などオタク文化のイベント参加や、SNSの普及でネット上でイベントを共有することもできるようになりました。盛り上がった時間を”共有”することにお金を支払うことになります。

 これらの消費行動以外にも、従来型の消費行動も当然残っています。日々の生活用品を買うような”必須需要消費”行動、これは欲しいと思う商品を買うことによる満足を得るための”顧客満足消費”行動、世の中の流行に追いつきたいという”流行追随消費”行動などです。

売れる商品・サービス10分類

 これら現代の消費者が行う消費行動を分類して、売れる商品・サービスとはどのようなものか整理してみましょう。

売れる商品・サービス10分類

  • 流行性商品
  • イベント型商品
  • 要求適応型商品
  • 顧客個性化商品
  • 必須需要型商品
  • ファン適合型商品
  • 不満解消型商品
  • 市場創造型商品
  • 低廉価格型商品
  • 上質提案型商品

流行性商品

 流行性商品とは、季節性の商品やブーム・流行していると呼ばれる商品・サービスになります。よく原宿発の流行と呼ばれるように、若い女性がその流行をけん引しています。流行している期間は短いので、流行に乗り遅れることなく素早い商品提供が求められます。

イベント型商品

 イベント型商品とは、季節のイベントやライフイベントに紐づいて提供する商品・サービスになります。バレンタインなど季節のイベントは予定もしやすいため競争も激しくなりますが売上向上に結びつけやすくなります。またライフイベントは顧客情報の入手が必要となりますが、顧客囲い込みと合わせて行うことで、安定した売上に結び付けやすくなります。

要求適応型商品

 要求適応型商品とは、顧客のニーズに徹底的に対応することで売上向上に結び付けるものです。顧客ニーズを把握することが大事であり、顧客の利便性に応えることが売上向上のポイントとなります。企業としては顧客のニーズに適応するための適応力、商品開発力、カスタマイズ力などがとても大切な力となります。

顧客個性化商品

 顧客個性化商品とは、顧客自体に他者との差別化を図りたいというニーズに応えることで売上向上させるものです。顧客の個性化という個別対応を必要とするため手間がかかり、企業にも的確な提案力やコンサル力が求められます。

必須需要型商品

 必須需要型商品とは、誰もが必要とする食品や日用品などにあたります。比較的安定した消費量、売上を示します。薄利多売が求められることが多く、企業には大量の商品を流通させるための対応が求められます。

ファン適合型商品

 ファン適合型商品とは、熱心なマニアやコアでニッチな顧客層を対象として売上向上を狙います。たとえ比較的高価であったとしても購入することが多いため売上向上に結び付けやすいが、ファン心理に添った対応が求められ市場規模も読みにくいため、商品供給には気をつかう必要があります。

不満解消型商品

 不満解消型商品とは、顧客の抱く日々の不便・不満や面倒を解消する商品・サービスを提供し売上向上に結びつけます。不便・不満に的確に応えられれば大きな売上増加を見込むことができます。しかし先行して商品・サービスを提供したとしても競合が参入する危険性が高いことに気をつける必要があります。

市場創造型商品

 市場創造型商品とは、ウォークマンのように従来にない市場を創造して売上を伸ばす商品・サービスです。研究開発に費用がかかり市場開拓にも時間と費用がかかりますので、中小企業が手を出すのは難しいものです。

低廉価格型商品

 低廉価格型商品とは、徹底的な安さを武器に売上を伸ばすものです。メーカーであれば大量生産できることが前提となりますが、品質を犠牲にすることは難しいものがありますので、品質管理も行う力が必要となります。低価格商品を販売するには徹底的な合理化とコストダウンが企業に求められます。

上質提案型商品

 上質提案型商品とは、プレミアム消費に対応して高価でもよいので良い商品・サービスを提供することで売上向上に結び付けるものです。本格的なプレミアム消費対応では、商品だけではなく、提供する環境、サービスの質なとも上質なものを求められますので、それに応じてコストもかかります。また提供する量も自ずと限られますので、安定して売上をあげ続けることには努力が必要となります。

自社の商品・サービスを「売れる商品・サービス10分類」に近づけよう

 自社の商品・サービスが前述の「売れる商品・サービス10分類」に一致しているでしょうか。せめて主力商品だけでも、いずれかの分類にあわせられれば、売上が向上してくるはずです。まず商品・サービスを改善する努力をしてみましょう。

 しかし今の商品・サービスがいずれとも一致するように変更できない場合は、どうすればよいでしょうか。

 その場合は、販売促進に力をかける必要があるでしょう。そのためには売上向上を実施するために”もうかる「しくみ」”づくりを考えてみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらの記事をご覧ください。